本格ロケだった

nostalji2016-06-29

テレビ時代劇『琴姫七変化』DVDボックスの「南海の鬼火(前・後編)」と「黒い十字架(前・後編)」を観る。
「南海の鬼火」は、密貿易で私腹を肥やす悪商人を琴姫が成敗する物語。罪を着せられて家を乗っ取られた父の仇をとるために長崎に帰って来た平戸屋の息子が殺されます。琴姫(松山容子)は旧知の長崎奉行与力・佐竹半兵衛(沢井謙二)を訪ね、一連の事件調査の協力を約束し、大塚四郎(松本錦四郎)と捜査を開始。事件の背後に密貿易を仕切る出島屋(天野刃一)がいることがわかり……
不良御家人や中国の密貿易商に変装するのですが、どこから見ても悪人に見えないのがご愛敬です。後年、『新宿ブルース』のヒットがある歌手でもあり、『姐御』などの日活任侠映画にも主演した扇ひろ子が平戸屋の娘役で出演していました。当時の芸名は乗松ひろみ。ドラマでは他に見たものがないので、役者よりもすぐに歌手の道を志したようですね。
「黒い十字架」は、隠れキリシタンを恐喝する切支丹吟味役を琴姫が成敗する物語。長崎奉行所の切支丹吟味役・蛭川彦九郎(天野刃一)と岡っ引きの弥助(上杉高也)は、教徒であることを見逃すかわりに金品をせしめていました。蛭川が捕まえた教徒の指導者・作左(市川男女ノ助)の娘(佐治田恵子)を琴姫が助け、蛭川たちのキリシタン迫害を知ります。琴姫は大塚四郎や弔いのお俊(川保まき)と共にキリシタンを救おうとしますが……
前話ではグラバー邸やオランダ坂で、本作では雲仙で大立回りが展開されます。普通は風景か主役クラスだけでお茶を濁すのですが、斬られ役まで含めて長崎でロケされています。長崎観光局は観光の一環として撮影を認めたようで、現在では観光客が多くて無理でしょう。それに、当時は外灯やガードレールなどがなく、時代劇にも使えたんですね。馬まで乗り入れた雲仙でのチャンバラは現在では不可能なので必見で〜す。