本格SF

nostalji2017-02-13

録画していた『オデッセイ』(2015年/監督:リドリー・スコット)を観る。たった一人で火星に取り残された科学者のサバイバルSFです。
火星探査中のクルーが猛烈な嵐により任務を中止してロケットに戻る途中、マーク・ワトニー(マット・デイモン)が突風でバラバラになった通信アンテナの直撃を受けて吹き飛ばされ、行方不明になります。ワトニーを発見できず、船長のメリッサ(ジェシカ・チャスティン)はやむなく離陸を決断。クルーは宇宙船ヘルメス号で地球への帰途につきます。NASAのサンダース長官(ジェフ・ダニエルズ)は、ワトニーの死亡を発表。しかし、ワトニーは生きており、火星基地ハブに帰還してサバイバル開始。植物学者でありメカニカル・エンジニアのワトニーは、自分の持つ科学知識とポジティブ思考によって、ハードルを乗り越えていきます。火星の衛星画像を調べていたNASAの職員がワトニーの生存に気づき、救出プランがたてられますがトラブルの連続。ワトニーの命運は、地球へ帰還中のヘルメス号のクルーを巻き込み、誰もが想定していなかった最終手段に託されることになり……
ワトニーとNASAの状況が並行して描かれ、課題をクリアーしていく物語展開です。登場人物は好い人ばかりで、人物間の葛藤はなく、人間ドラマとしての厚みはありません。サバイバルにつきものの暗く重苦しい部分は全て捨て去り、明るく爽やかに仕上げています。それにしても、中国の登場は不要でしたね。興行政策かもしれませんが、あれがなければ、もっと気分よく楽しめたと思いま〜す。