気になる作品

nostalji2017-06-24

友人から送ってもらった『風来坊探偵・赤い谷の惨劇』(1961年・ニュー東映/監督:深作欣二)を観る。深作欣二の初期の作品で、第二東映の位置付けがよくわかる作品です。
新日本開発会社のセスナ機が赤岩岳に墜落し、事故死したパイロット(小嶋一郎)の妹・美佐子(北原しげみ)が赤岩岳山麓の上田牧場にやって来ます。上田清太郎(宇佐美淳也)と娘のちか子(小林裕子)は事故死した新日本開発の青雲社長から土地を借りて、孤児たちのために牧場を営んでいるのね。事故現場で美佐子が北東観光のチンピラに絡まれているのを救うのが、新日本開発に雇われた風来坊探偵の五郎(千葉真一)です。五郎が墜落事故に不審を抱き調査しているところへ現れたのがスペードの鉄(曽根晴美)で、二人は拳銃とライフルで腕比べ。赤岩岳山麓一帯の観光事業を独占しようとする北東観光の鬼頭(須藤健)が上田牧場に土地の権利書を持って現れ、清太郎に立ち退きを要求します。手がかりをつかんだ五郎は様子を探りに北東観光の事務所へ……
時代劇の東映が、新しい観客層の開拓を目指したのが現代アクションを中心とした第二東映でした。ターゲットとしたのが日活ね。これは、明らかに当時全盛だった日活アクションを意識した作品です。千葉真一曽根晴美は、“渡り鳥”シリーズの小林旭宍戸錠ね。日活のようなスマートさがなく、全体的に泥臭いんですよ。テレビ映画『新・七色仮面』と『アラーの使者』で人気の出た千葉真一の動きは小林旭に負けていませんが、いかんせん演技がド下手。ニュー東映は、1960年3月にスタートした第二東映を61年2月に社名変更したものです。しかし、1年ももたずに同年11月に幕を下ろしま〜す。