映画とは違って

nostalji2018-09-18

マックス・ブランド:著(林太郎:訳)の『砂塵の町』(中央文庫:1985年10月10日発行)を読了。『砂塵』(1939年)や『野郎!拳銃で来い』(1955年)の題名で映画化された西部小説です。
列車強盗の犯人にされ、証拠もないのに12人の陪審員によって有罪にされ、6年の服役後、主人公のデストリーが町に戻って来て復讐する物語で、映画とはまるで異なる内容。映画と同じなのは、拳銃名人のデストリーが丸腰で町に戻って来て、刑務所暮らしで気が弱くなった男を装って悪党を油断させるところだけです。映画では酒場の経営者が悪党ボスと最初からわかっていましたが、小説では12人の陪審員を追いつめて黒幕を捜すストーリー。酒場の鉄火マダムなんか登場しません。
デストリーは、いろいろな方法で自分を罪に落とした連中に復讐していくのですが、工夫が凝らされておりスリルに満ちています。それと、登場人物の性格描写や情景描写が見事で、西部劇の世界へひきこまれていきま〜す。