ゲームが原作

録画していた『弟切草』(2001年/監督:下山天)を観る。長坂秀佳の人気ゲームをもとにした小説を映画化したサスペンスホラーです。
幼い頃に生き別れた父親が亡くなり、遺産の屋敷を相続した奈美(奥菜恵)は、元恋人の公平(斎藤陽一郎)と弟切草が咲く屋敷を訪問。父親が伝説的な画家だったことを知った奈美は、自分の出生の秘密に興味を抱きます。部屋をひとつひとつチェックしていくうちに、1枚の写真を発見。そこには、自分と自分の記憶にない双子の妹・直美が写っており……
登場人物が極端に少ないため、観客を驚かせるには工夫が必要なのですが、恐怖劇になっていません。手持ちカメラの映像、監視カメラの映像、早送りや巻き戻しなど色々組み込んでいるのですが、チープで何の怖さもないんですよ。恐怖の種に充分なりうる管理人の存在も希薄。
ゲームソフト会社で働いている真一(大倉孝二)と透子(松尾れい子)とタブレットで連絡をとりあって、隠し部屋を見つけるなんて安直。ゲームだと主人公が屋敷中を歩いて自ら屋敷の間取り図を作るんじゃないかなァ。人形やオルゴールなどのアイテムも謎解決と関係ないし、単なる思わせぶり。ゲーム的な面白さも、映画としての恐怖演出も、どっちつかずになった駄作で~す。

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