続いて

移動時間や待ち時間で、豊田有恒:著の『日本アニメ誕生』(勉誠出版:2020年8月28日初版発行)を読了。日本アニメのオリジナル・シナリオライター1号として『鉄腕アトム』『エイトマン』などに関わった著者によるアニメ誕生秘話が語られています。

手塚治虫との出会いから始まり、アニメ『鉄腕アトム』誕生の経緯。手塚治虫は実写版『鉄腕アトム』が稚拙極まりない出来だったので、アニメではしっかりしたものを作ろうとしていました。製作費が100万円以上かかったのですが、テレビ局には80万円といって交渉。差額を埋めるのに。主人公の動きの動画をバンクしておいて、背景を変えて使いまわししたり、背景を大きな一枚に描いて、部分的に切りとるなど、工夫を重ねます。それでも足りない分は、雑誌の連載を増やして原稿料で補填。

1963年1月に放送開始されたアニメ『鉄腕アトム』は人気番組になり、10月に『鉄人28号』が、そして11月に『エイトマン』がアニメ化されます。『鉄腕アトム』や『鉄人28号』は雑誌連載が長いので原作が充分にありましたが、『エイトマン』は63年に「少年マガジン」で連載開始したばかりで原作が少なく、著者がオリジナルシナリオを担当。原作は『8マン』でしたが『エイトマン』になったのは、放送したのがフジテレビでなくTBSだったからです。『エイトマン』が放送終了後、原作が不足してきた『鉄腕アトム』でもオリジナルシナリオを担当。

その後、『スーパージェッター』『宇宙少年ソラン』『冒険ガボテン島』『宇宙戦艦ヤマト』に関わるとともに、SF作家として活躍していきま~す。

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