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渡部昇一:著の『日本史』(扶桑社文庫:2014年8月10日第1刷発行)を読了。「王朝の断絶がない日本では神話の伝承は歴史研究から切り離せない」「日本の国体は断絶したことはないが大きな変化は5回ある」という日本史観で展開する通史です。つまり、皇室のあり方の変化を中心にした視点になっています。

第1章:古代「日本人のメンタリティはこうして作られた」、第2章:中世「民の暮らしを意識した武家政権が誕生した」、第3章:近世「新時代は信長の比叡山焼き討ちから始まった」、第4章:近代「日本は西欧のアジア植民地化に立ち向かった」、第5章:現代「自分の国の歴史を再び問い直す」という構成で、第3章までは、よく知られていることばかりで如何ってことなし。

第4章からは、著者の持論である、戦後の自虐史観の否定が全面的に出てきます。日韓併合が朝鮮の植民地化でなく、イングランドスコットランドの関係に近いという説には納得。ただ、やたらとナショナリズムを煽るような論調は好きになれません。教育勅語を唱和したり、徴兵制度ができたりするのは嫌ですからねェ。

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