たまには文芸作品

録画していた『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019年/監督:グレタ・ガーウィグ)を観る。何度も映画化されているルイザ・メイ・オルコットの『若草物語』の最近作です。

時代はアメリ南北戦争時代、父が北軍に従軍したマーチ家では、母(ローラ・ダン)と4姉妹が留守を守っています。しっかり者の長女メグ(エマ・ワトソン)、活発で信念を曲げない次女ジョー(シアーシャ・ローナン)、内気で繊細な三女ベス(エリザ・スカンレン)、頑固な四女エイミー(フローレンス・ビュー)で、彼女たちの前に隣家の富豪ローレンス(クリス・クーパー)の孫ローリー(ティモシー・シャラメ)とローリーの家庭教師ブルック(ジェームズ・ノートン)が現れます。メグはブルックと結婚。ジョーはローリーにプロポーズされますが、作家を目指すジョーは結婚を断ります。ベスは病に倒れ、エイミーは叔母(メリル・ストリープ)とヨーロッパへ旅立ちますが……

女性が表現者として成功するのが難しい時代に、作家になる夢を一途に追い続け、性別によって決められてしまう人生を乗り越えようと自分が信じる道を突き進むジョーを主人公にしています。南北戦争が終わっている1869年、ジョーが編集者(トレイシー・レッツ)のところへ自分の小説を持ち込むところから始まり、現在と過去が並行して展開。『若草物語』を全然知らない人には分かりづらいと思います。私は1949年のマーヴィン・ルロイ監督作品を観た(原作は読んでいない)だけだったので、ベスのイメージがあまりに違っていてアレレと思いました。ルロイ作品は、ベスの死を強調するために、原作を変えて三女でなく四女にしていたんですね。少女マーガレット・オブライエンの死に涙を誘うようにするためにね。

若草物語』を出版するにあたって、ジョーが編集者と交渉するシーン(原作にはないとのこと)はいかにもありそうなことで面白かったで~す。

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