録画していた『漫画誕生』(2018年/監督:鈴木萌)を観る。現在の漫画業界の礎を築いた北沢楽天の半生を描いた伝記ドラマです。
太平洋戦争時の昭和18年(1943年)、検閲官を前にした北沢楽天(イッセー尾形)は、自らの漫画家人生を語りはじめます。明治32年(1899年)、風刺絵画家として福沢諭吉(モロ師岡)に見いだされた若き日の楽天(橋爪遼)は、低くみられていた風刺絵やポンチ絵を新しい表現手段にしようと決意。“漫画”と名付け、世間に認めさせようと理想を抱き、反骨のジャーナリスト宮武外骨(瓜生真之助)に感化された楽天は、風刺漫画誌「東京パック」を創刊しますが……
さいたま市に埼玉漫画会館があります。北沢楽天の晩年の邸宅跡地に建てられたもので、北沢楽天の作品や資料、現代漫画家の作品を展示。漫画家という職業を成立させ、初めての印税契約や定期連載、弟子たちをアシスタントにして漫画制作のプロダクション化を行うなど、現在の漫画産業の原型を作ったことはこの映画以前から知っていました。
全体としては散漫な内容ですが、イッセー尾形の味わいある演技が好きなので、満足、満足。