昨日に続き

録画していた『続・高校三年生』(1964年・大映/監督:弓削太郎)を観る。続となっていますが、主演者と主題歌が同じだけで物語に関連性はありません。

高校三年生の高津明子(姿美千子)は父親(松村達雄)の転勤で東京下町の高校へ転校してきます。明子がすぐに親友となったのが同じ団地に住む俊子(東京子)と夏子(渚まゆみ)。夏子はエロ漫画家の父を恥ずかしく思い、俊子はバーのマダムをしている母の男関係に悩んでいます。明子は、面白くない日本史の授業にうんざりした顔を教師に見咎められますが、成績ナンバーワンの早川孝(倉石功)が明子を弁護。このことから明子は孝に好意を持ちます。孝の父(内田朝雄)は下町の工員で、孝を大学にやってエンジニアにするのが夢。孝は自分が色弱でエンジニアになれないことを父に言い出せず悩んでいます。明子は見栄っぱりの母親(村田知栄子)に手を焼き、孝と悩みを打ち明ける仲となるんです。それを知った明子の母は、工員の子どもとの交際をやめるように明子に言っただけでなく、学校や孝の父親にまでクレームをつけたことから……

主題歌を歌っている舟木一夫も出演していますが、高校生役でなく倉石功の友人の製鉄所で働く工員。「青春はぼくらのもの」を歌いながら登場します。物語に直接絡む存在でなく、ゲスト出演という感じです。当時、映画界での舟木一夫の争奪戦は凄く、大映の『高校三年生』の後、日活で『学園広場』『仲間たち』、東映で『君たちがいて僕がいた』『夢のハワイで盆踊り』と立て続けに出演しています。歌手としてコロムビア専属だったことから、この作品ではコロムビア・ローズ(2代目)も出演。「長い一本道」を団地の主婦コーラスを指導して歌うシーンがあるんですが、唐突的なもので、舟木を出演させるためのコロムビアとのバーターのような気がしますね。

前作と比べて、舟木一夫を出演させるためだけに作ったような作品なのでシナリオはガタガタ。ご都合主義的展開で褒められたものではありませ~ん。