最後に

西部劇パーフェクトコレクション「西部への旅路」に収録されている『西部への旅路』(1944年/監督:フランク・ライアン)を観る。ミュージカルの巨匠ジェローム・カーンが音楽を担当し、ディアナ・ダービンが主演したミュージカル西部劇です。

上院議員フロスト(レイ・コリンズ)の娘キャロライン(ディアナ・ダービン)は、父親に恋人の騎兵隊士官レイサム(デヴィッド・ブルース)との仲を反対され、カリフォルニアに赴任したレイサムを追って西部へ。浮浪者のロシアの王子(エイキム・タミロフ)や賭博師のローラ(ロバート・ペイジ)と知りあい幌馬車隊に加わります。ローラと喧嘩をしながらも互いに惹かれあうようになり……

ディアナ・ダービンは15歳の時に主演した『オーケストラの少女』で世界的に有名になりましたが、その後の作品では見ることがなかったので、私にとって意外な掘り出し物になりました。メリハリのないノンビリした展開は褒められたものではありませんが、ダービンの歌はグッド。タイトルソング「キャント・ヘルプ・シンギング」は劇中で何度も歌われますが、なかでも屋外の壁で仕切られた木の浴槽につかったダービンとロバート・ペイジが、二人のソロからデュエットへと快活に歌いあげていくシーンは良かったですね。グランドキャニオンの近くで歌われる悩みに満ちた「エニー・モーメント・ナウ」、恋を啓示する「モア・アンド・モア」、♪~丘はもっと輝いていて、娘たちはもっと女らしい~と歌いほめたたえるワルツ調の陽気な「カリフォルニアィ」も素晴らしいで~す。