お気に入りシリーズなので

東映チャンネルで放送された『警視庁物語・血液型の秘密』『警視庁物語・聞き込み』(1960年・東映/監督:飯塚増一)を観る。

『血液型の秘密』は、野犬狩りの保健所員が赤ん坊の死体を発見し、戸川主任(神田隆)以下、長田(堀雄二)・山形(中山昭二)・林(花沢徳衛)・金子(山本麟一)・渡辺(須藤健)・高津(佐原広二)の6人の刑事が捜査を開始。現場にあったオムツに使われていた手ぬぐいと産婦人科医院の記録から母親が安子とわかります。近所のおばさん(沢村貞子)の証言から、赤ん坊は安子の別居中の夫・吉本(今井健二、当時は今井俊二ね)が預かっており、今朝、吉本から電話があって出かけているとのこと。林と金子の両刑事が吉本のアパートを、渡辺・高津の両刑事が安子のアパートを張込み、長田と山形の両刑事が安子と吉本の足取りを追います。安子は野崎(東野英治郎)の愛人でしたが、スケこましの吉本と結婚。野崎は安子に未練があって、今でも安子を追いまわしています。やがて、安子は轢死体で発見。吉本と野崎が事情聴取され、吉本は赤ん坊が自分の子か野崎の子か分かったものではないと言い張り……

『聞き込み』は、老婆(五月藤江)が行方不明になっている弟・平作の捜索依頼に警視庁へやってきます。平作は既に死体となって発見されており、いるはずのない平作の息子という男が平作の家と土地を売っていることから殺人事件として捜査開始。土地の購入者から人相を聞き出す一方、平作がいなくなった日の足取りを追います。鮨屋の出前が平作に頼まれて鮨を届けた家は、前作の重要参考人だった吉本のアパートで……

『血液型の秘密』で、仕方なく赤ん坊を殺して自殺した安子を捨てた吉本が、『聞き込み』では犯人という二段構成。居酒屋で働く吉本の新しい女・道子(八代万智子)に思いを寄せた平作を、道子を利用して家に誘き寄せたんですな。居酒屋は両作品に登場し、こまどり姉妹がゲスト出演して歌っています。

刑事たちが聞き込みに回る相手は、松村達夫、星美智子、小林裕子山東昭子山村聰菅井きん、大村文武など。それに通行人役で応蘭芳(当時は三瀬滋子)も出演していま~す。