昨日に続き

東映チャンネルで放送された『警視庁物語・不在証明』『警視庁物語・十五才の女』(1961年・東映/監督:島津昇一)を観る。

『不在証明』は、ある官庁で守衛が殺され、金庫にあった業者からのリベート30万円が盗まれる事件が発生。守衛の壊れた時計と解剖の結果から、犯行時間は9時13分とわかります。金があることを知っているのと、金庫を開けることができるのは、岡本係長(小沢栄太郎)、秋田(大村文武)、根岸(波島進)の3人。岡本係長は愛人(八代万智子)の家におり、根岸は事務員の志村良子(小宮光江)と劇場で演芸を見ていたというアリバイがありましたが、秋田にはアリバイがない上に金に困っていたという事情があり、容疑者と目されましたが……

中山昭二に代わって、中川刑事役で千葉真一が登場。アリバイトリックは極めて単純で、ミステリーの要素は殆どありません。刑事たちの地道な聞き込み捜査で犯人を捕らえます。

『十五才の女』は、少女(新井茂子)の死体が多摩川の水門に浮かび上がり、刑事たちは犯行場所と少女の身許を捜索。少女は脳梅毒で頭のおかしくなった母親(菅井きん)をかかえ、売春で生活費を稼いでいたことがわかります。目撃者の情報で、事件当夜、福祉事務所の村上(今井健二)が少女と会っていたことがわかり……

今井健二は生活補助金を餌に少女と関係を持っていた悪い奴。元パンパンで外人から病気をもらった菅井きんがラストで脳梅専門収容施設に入るのですが、終戦から15年経った時点でも戦後は終わっていなかったんですねェ。