昨日に続き

友人に送ってもらった『警視庁物語・行方不明』(1964年・東映/監督:小西通雄)を観る。低予算のB級サスペンスですが、粒の揃った良質なものばかりと好評なシリーズでした。本作品は24作目にして最終作。

捜査1課の戸川主任(神田隆)が課長(松本克平)に呼ばれ、大和皮革の川原部長(加藤嘉)から残業で残っていた技師の松井と小山が行方不明になっている捜査を依頼されます。研究室には血痕が残っており、同僚技師(大村文武)や鮨屋の出前の証言から松井が小山を殺して逃亡した様子。長田部長刑事(堀雄二)・林刑事(花沢徳衛)・三田村刑事(今井健二)・金子刑事(山本麟一)・北川刑事(南廣)・渡辺刑事(須藤健)たちが捜査を開始。死体はどこからも発見されず、松井の所在もわかりません。松井と思われる男を乗せたというタクシーの運転手の証言から男は松井でなく小山と判明。小山が愛人宅にいることがわかり……

松井と小山は写真と関係者のセリフの中で出てくるだけ。小山に殺された松井は、硫酸貯蔵タンクに捨てられ白骨死体で発見。小山は刑事に追われてデパートの屋上から投身自殺。小山役は中野誠也なんですが、写真と後ろ姿だけでセリフはありません。

中心となる刑事が主人公となって捜査するのでなく、刑事の集団が実際の事件捜査をそのまんまやっているという感じのシリーズ。最近この手の刑事ドラマが見当たらないので、逆に新鮮に感じましたね。風景を楽しむ懐古趣味だけでなく、ドラマとしても楽しめました。