週に一度は西部劇

録画していた『西部番外地』(1970年/監督:バーナード・L・コワルスキー)を観る。リアルタイムで観て以来の再見です。「憎む女の情念が、追われる男の哀しみが、ふとよりそった北の果て、荒野の風にむせび泣く…」が、公開当時の惹句。東映ヤクザ映画のような惹句ですが、マカロニウエスタンの悪影響を受けた作品というのが、当時の私の感想です。

劣悪な南軍の捕虜収容所に入れられていたマチョ・カラハン(デビッド・ジャンセン)は、処刑された北軍士官の棺桶に爆弾を仕込み、騒ぎに乗じて脱獄に成功。カラハンは自分を騙して入隊させたダフィ(リー・J・コッブ)に復讐する旅の途中で、新婚旅行中の男(デビッド・キャラダイン)をシャンペンのことから決闘で殺します。夫を殺された新妻アレキサンドラ(ジーン・セバーグ)は復讐を誓い、カラハンに賞金を懸け、自らも酒場女になってカラハンを追跡。相棒のホアン(ペドロ・アルメンダリスJr)と流れついた町で、ダフィを発見したカラハンは、ダフィを吊し首にして殺害。賭博場でカラハンを見つけたアレキサンドラは、通りすがりの女としてカラハンに接近し、隙をみて殺そうとします。しかし、乱闘のすえカラハンに犯され、何やかやあってカラハンを好きになっていきます。カラハンもアレキサンドラを愛するようになりますが、彼らの行く手には賞金に目がくらんだ無法者たちが待ちうけており……

冒頭の南軍捕虜収容所の陰惨残酷描写に始まり、ラストで主人公が無情に殺されるという陰性西部劇。デビッド・ジャンセンはマカロニ主人公と同じような髭面。相手役はアメリカ映画よりフランス映画が似合うジーン・セバーグ。この二人のキャラクターが陰性で執念深いとあっては、まさにマカロニの世界ですな。リアルタイムで観た時もつまらなかったが、再見しても新しい発見がなく、つまらなかったで~す。