週に一度は西部劇

録画したままだった『明日なき追撃』(1975年/監督:カーク・ダグラス)を観る。権勢欲の強い連保保安官が無法者を追跡する西部劇。

連邦保安官ナイチンゲールカーク・ダグラス)は上院議員の席を狙っており、選挙のための人気とりで、特別警備隊(原題のPOSSE)を従えてお尋ね者を追っています。列車強盗のお尋ね者ストローホーン(ブルース・ダーン)一味の隠れ家を襲撃。奪った金は燃え、一味は全滅しますが、ストローホーンは脱出。テソタの町でナイチンゲールにチクった裏切者(デビッド・キャナリー)と逮捕にきた保安官を殺したストローホーンは、仲間のペペ(アルフォンソ・アラウ)と組んで新たな組織を結成。しかし、ナイチンゲールと5人の部下によって全滅し、ストローホーンは捕えられます。テンタの町はナイチンゲールを讃える人々で大歓声。ストローホーンは、ナイチンゲールの特別列車でオースチンに送られることになりますが……

カーク・ダグラスが製作・監督・主演した作品。五人の部下と列車から馬をおろして追跡する場面、ストローホーン一味が隠れている納屋にいきなり火をかけ狙い撃ちする場面、いそいで集められた無法者たちを情け容赦なく撃ち殺す場面など、なかなか迫力ある演出をしています。主人公が正義の味方でなくて、ルーク・アスキューを除いてボー・ホプキンスたち部下4人が金のことで不満を持っているところがこの作品の面白いところ。彼らを利用してブルース・ダーンがダグラスを見事におちょくっています。ユーモラスな中にどこか狂気を感じさせるダーンのキャラが活かされており、演出的には間延びしているところもあるのですが、意外な秀作といえま~す。