西部劇DVDの『オクラホマ無宿』(1949年/監督:ゴードン・ダグラス)を観る。実在した無法者ビル・ドーリンを描いた作品です。
ダルトン一味だったビル・ドーリン(ランドルフ・スコット)は、裏切者によってダルトン兄弟が連邦保安官のサム・ヒューズ(ジョージ・マクレディ)たちの待ち伏せにあって殺されたことを知り、裏切者を成敗します。ヒューズ保安官に追われますが、アーカンサス(チャールズ・ケンパー)、ビタークリーク(ジョン・アイアランド)、レッドバック(フランク・フェントン)、リトルビル(ノア・ビアリーJr)、タルサジャック(ジャック・マホニー)を仲間にして強盗団を結成するのね。強盗団は銀行や列車を荒らしまわりますが、ヒューズ保安官に本拠地を知られ、ほとぼりを覚ますために3ケ月後の再起を約して解散します。ドーリンはエレイン(ヴァージニア・ヒューストン)という娘と知りあい、農場を買って堅気になりますが……
土地が解放され、移住者たちによって牧草地が農地となったために牧場が少なくなり、失業したカウボーイは仕方なく無法者になったという発端から、“盗みはすれど非道はせず”といっても所詮犯罪者なので官憲に追われ、最後は妻に逃亡者の苦しみを味あわせないために自ら死を選ぶという、同情的な目で描いています。強盗団より官憲の方が悪人といった感じね。実在の無法者を主人公にした40〜50年代の西部劇は、アウトロー崇拝が定番でしたな。ゴードン・ダグラスの演出はスピード感があって退屈しませんが、ストーリー的には褒められたものではありませ〜ん。