週に一度は西部劇

本日はゲーリー・クーパーの誕生日。そういうわけではないが、録画したままだった『西部の人』(1958年/監督:アンソニー・マン)を再見。学校の教師を雇うために町民から預かった金を無法者の一味に奪われた主人公(ゲーリー・クーパー)が、奪った一味と対決する物語。主人公は元無法者で、一味の首領が20年前に一緒に悪事を働いていた叔父(リー・J・コッブ)という骨肉争う内容は、アンソニー・マンらしい西部劇です。

列車が燃料補給のために停車した時、列車強盗が襲い、応戦しながら列車は急いで発車。金が入っていたクーパーのカバンが盗まれ、外に出ていたクーパー、詐欺師のアーサー・オコンネル、酒場の歌手ジュリー・ロンドンの3人がとり残されます。列車に乗っていた客はたくさんいるのに、この辺はかなり適当な演出。クーパーがオコンネルとロンドンを連れて廃家に行ったのは、休むためなのか盗まれた金を追っていったのか曖昧だし、オコンネルがクーパーを庇って無法者のジャック・ロードに撃たれるのも、とってつけた感じで感心しません。脚本が今イチ杜撰です。

ジャック・ロードはコッブに撃ち殺され、クーパーは仲間になる風に装って、銀行襲撃に出発し、ゴーストタウンでロイヤル・ダノ、ロバート・ウェルク、ジョン・デナーと一人ずつ倒していきます。最後は留守中にロンドンを犯したコッブを撃ち殺して悪縁を断ってエンド。風景描写などに見るべきところはありますが、クーパーは齢をとりすぎておりキャラにあっていません。叔父役のコッブの方が実年齢ではクーパーより10歳も若いんですよ。ジュリー・ロンドンが出演しているのに歌うシーンはないし、不満の残る作品でした。クレジットに“Song by Bobby Troup”とあり、ロンドンの夫トループが主題歌の作曲をしており、ロンドンが歌っているレコードがあります。ユーチューブで聴くことができま~す。