懐かしのスパイヒーロー

DVDで『サイレンサー沈黙部隊』(1966年/監督:フィル・カールスン)を再見。ディーン・マーティンがICE(アイス)の諜報員マット・ヘルムを演じた“サイレンサー”シリーズの第1弾です。

ストリップによるクレジットに続き、巨大円型ベッドで美女の夢を見ていたマット・ヘルムがボタンを押してそのままお風呂にドブン。風呂の中には美人秘書がいるというオープニングから人を喰った展開でニヤニヤさせてくれます。

お話は、ビッグO(ヴィクター・ブオノ)の組織を探っていたICEの諜報員が殺され、上司(ジェームズ・グレゴリー)の命令でマットは相棒を殺されたティナ(ダリア・ラビ)と捜査を開始。米空軍のミサイル実験を利用し、電波誘導で原爆実験施設を破壊してロシア(当時はソ連)の仕業と思わせて世界大戦を引きおこそうとする陰謀を粉砕。

原作はドナルド・ハミルトンの正統的スパイヒーロー小説ですが、主演がニヤニヤと一杯やっているようなディーン・マーティンなので、行動の合間ごとに鼻唄を歌い、お色気にハッスルといったコメディ・アクション。カーラジオをつけるとフランク・シナトラの歌が流れ、これは嫌いだと言ってチャンネルを変えるとマーティンの歌が流れてきたのは笑えましたね。事件に巻きこまれるステラ・ステーヴンスのコメディエンヌぶりも可笑しかったです。どしゃぶりの雨の中で、泥だらけになりながら七転八倒する根性が最高。秘密兵器が、撃ったら弾丸が後ろから出て自分にあたるという逆さ拳銃というのも笑えます。

音楽は、場違いな感じのエルマー・バーンスタイン。特別出演のシド・チャリシーが主題歌を歌いながら踊るのですが、歌っているのはヴィッキー・カー。

能天気な作品ですが、私は大好きで~す。