未見だったので

録画していた『弾痕』(1969年・東宝/監督:森谷司郎)を観る。加山雄三が主演した東宝アクション第2弾です。

米特使一行を狙った過激派を滝村(加山雄三)がヘリコプターから狙撃して射殺。滝村は二重国籍を持つ日本で活動する米諜報機関工作員。米国への亡命を希望する中国の貿易使節員・楊(岸田森)を助けた滝村は中国の工作員佐藤慶)から銃撃され、流れ弾があたった彫刻家の沙織(太地喜和子)を介抱して深い仲になります。沙織の夢はアンデスの荒野でインカの彫像を作ること。米諜報機関の日本支部長・北林(岡田英次)の拷問によって楊は中国のスパイであることを自供。中国の貿易使節の目的は、密かにやってくる死の商人からの武器購入とわかり……

『狙撃』がヒットしたので製作されたのでしょうが、はっきり言って粗製ですな。まず、主人公の設定が不明確。愛国心のない孤独な男というだけ。主人公の所属する組織が不明確。最初、日本の公安かと思いましたよ。死の商人から武器購入するのに日本で取引する理由がわからない。加山に決闘で撃たれた佐藤慶が死に際に真相を語るのですが、あんなにベラベラ喋るスパイなんかいるものか。太地喜和子は『狙撃』の浅丘ルリ子と比べて妖しい魅力が不足。セリフによる政治的説明はウザイだけ。森谷司郎はアクション映画にむいておらず、駄作で~す。