また今日も

録画していた『眠狂四郎人肌蜘蛛』(1968年・大映/監督:安田公義)を再見。将軍妾腹の凶悪な兄妹との対決を描いたシリーズ11作目

旅の途中、母の墓参に立ち寄った狂四郎(市川雷蔵)は老僕の七蔵(寺島雄作)と再会。雄作は黒ミサで生まれた兵庫(寺田農)と暮らしており、兵庫は暴虐の限りをつくしている将軍妾腹の土門家武(川津祐介)・紫(緑魔子)の兄妹に召し出されそうになり、狂四郎が代わりに兄妹の鬼屋敷に出かけます。紫の甘美な誘いを拒絶した狂四郎は、襲いくる家臣を倒し、館から脱出。戻ってみると七蔵は殺され、兵庫は連れさられています。家武の毒矢を受けた狂四郎を公儀目付・都田一関(渡辺文雄)が救出。一関は狂四郎に将軍家安泰のために土門兄妹の暗殺を依頼しますが……

川津祐介が目の演技で性格異常ぶりを見せ、血に狂う色キチガイ緑魔子と悪知恵の渡辺文雄はキャラにあった演技。色仕掛けで狂四郎に迫るのは三木本賀代と三条魔子。狂四郎に想いを寄せるようになって仲間に殺される三条魔子は、『女地獄』の水谷良重や『魔性の肌』の久保菜穂子と似たような設定。癌におかされて死期が迫っている市川雷蔵の虚無感だけが魅力で~す。