これで最後

録画していた『眠狂四郎悪女狩り』(1969年・大映/監督:池広一夫)を再見。大奥総取締の悪女との対決を描いたシリーズ最終作。

江戸城大奥では将軍の子を身ごもったお千加の方(松尾嘉代)と大奥総取締の錦小路(久保菜穂子)の間で権力争いが勃発。錦小路は大目付の板倉将監(小池朝雄)やオランダ屋(伊達三郎)と組み、隠れ切支丹の川口周馬(江原真二郎)を使って政敵を暗殺。周馬は眠狂四郎の仕業に見せかけます。狂四郎(市川雷蔵)はそんなことは意に介せず、茶屋の女将(朝丘雪路)と気楽に暮らしていましたが、墓参にやってきた大奥の女・小夜(藤村志保)に兄と間違われたことから事件に巻きこまれ……

周馬は隠れ切支丹宗徒をルソンに逃がすことを条件に錦小路の命令に従っていたのですが、小夜は殺され、宗徒は一網打尽となる裏切りにあい、錦小路・将監・オランダ屋を殺害。雷蔵の体調は万全でなく、殺陣シーンは苦痛をともなうので、狂四郎のチャンバラシーンは少なくなっています。茜(吉田日出子)率いる伊賀忍者との戦いと、ラストの周馬との対決だけ。内容的には満足できるものではありませんが、雷蔵の死を予感させるような狂四郎の虚無感が堪りませ~ん。