週に一度は西部劇

録画していたBSシネマの『燃える平原児』(1960年/監督:ドン・シーゲル)を再見。インディアンの女を妻にした一家の悲劇の物語です。

ペイサー(エルヴィス・プレスリー)は、白人の父(ジョン・マッキンタイア)と後妻であるカイオワ・インディアンの母(ドロレス・デル・リオ)との間に生まれた子で、先妻の白人女性との間で生まれた兄クリント(スティーブ・フォレスト)がいます。カイオワ族の酋長が代わり、新酋長のバッファロー・ホーン(ロドルフォ・アコスタ)が蜂起したことから一家に災難がふりかかるんです。町民はクリントに一緒に戦えと脅すし、バッファロー・ホーンはペイサーに仲間になれと誘いにきます。一家はどちらとも戦いたくなく、平和を望んでいましたが、母が白人に殺され、父がインディアンに殺されたことから……

インディアンと白人の間にはさまった一家の苦悩を描いた異色作。最後まで兄弟愛が貫かれており、悲劇ではあるものの清々しさを感じます。この作品では何といってもプレスリーの自然体の演技がグッド。プレスリー自身、インディアン(母方)の血が流れており(1/8とのこと)、混血ぶりがピッタシです。プレスリーは、主題歌「Flaming Star」と、冒頭のパーティー場面での「A Cane and A High Starched Collar」と、2曲歌っていますが、プレスリーについて詳しい湯川れい子によると、公開時にカットされた「Britches」と「Summer Kisses,Winter Tears」という挿入歌があったとのこと。プレスリーの歌を売りにしなかったことで、引き締まった作品になりましたね。

画像は、プレスリーが歌う主題歌レコード。「A Cane and A High Starched Collar」は収録されておらず、「Summer Kisses,Winter Tears」が収録されています。