時代劇から

BSプレミアムで放送していた『菜の花の沖(全5回)』を観了。土曜特集ドラマとして2001年に放送された後、“放送開始75周年記念番組”として2013年にも再放送されたのですが未見でした。司馬遼太郎の原作で、波乱万丈の生涯をおくった大商人・高田屋嘉兵衛の物語。

淡路島の貧しい農家に生まれた嘉兵衛(竹中直人)は、網元(近藤正臣)の娘おふさ(鶴田真由)と愛しあうようになり、島を飛び出して兵庫の廻船問屋・堺屋(村井邦男)の船人として働きます。(第1回)

おふさは堺屋の妻(酒井和歌子)のはからいで兵庫随一の廻船問屋・北風荘右衛門(江守徹)の家に住み込みで奉公。船頭になった嘉兵衛は、家を借りておふさと一緒に暮らしはじめ、おふさは妊娠。天才的な操船技術でメキメキ頭角を現し、自前の船を手に入れ、弟・金兵衛(筧利夫)と高田屋を創設。(第2回)

蝦夷地での交易のため函館に行き、嘉兵衛は蝦夷地御用役人の高橋三平(矢島健一)と知りあいます。高橋が話すロシアの脅威に共感し、蝦夷地発展のために函館に高田屋の拠点を移動。日本国のために定御雇船頭を引き受けたことから、商人が武士の世界に組み込まれることに反対する北風と決別。(第3回)

嘉兵衛はロシアの戦艦に拿捕され、艦長のリコルド少佐(セルゲイ・ワルチェック)によりカムチャッカに連行されます。日露の国境紛争“ゴローニン事件”の報復としてロシア側の人質となったのね。嘉兵衛はこの紛争を自らの力で解決することを決意。(第4回)

嘉兵衛とリコルドは友情に結ばれ、ロシアとの交渉は成功して嘉兵衛は函館に戻ってきます。出来の悪い息子を追い出して金兵衛に高田屋を継がせたため、おふさは精神を患い別居。おふさと淡路島に帰ります。(最終回)

原作は大河ドラマの候補となった大長編なので、5回にまとめると総集編的なものになるのは仕方ないかな。ドラマとしての厚みがありません。最近の竹中直人の演技は臭くてしかたないのだけど、20年前は自然体ですね。鶴田真由のカマトト演技も悪くありません。海に生きた男のロマンは描けていたと思いま~す。