録画していた『アパッチの怒り』(1954年/監督:ダグラス・サーク)を観る。平和を愛するアパッチの酋長がジェロニモたちの反乱を鎮圧する西部劇です。
チリカワ/アパッチ族の酋長コチーズ(ジェフ・チャンドラー)は、米軍と和平協定を結んだ3年後、酋長の地位を息子のターザ(ロック・ハドソン)に譲り、白人との抗争を避けるように遺言して死にます。ターザの弟ナイチェ(レックス・リーズン)は白人と抗争するジェロニモ(アイアン・マクドナルド)を崇拝し、白人を憎む長老グレイ・イーグル(モーリス・アンクラム)と結託し、ターザに反抗。ターザは白人を殺したナイチェを捕らえて罰しますが、バーネット大尉(グレッグ・パーマー)がナイチェを銃殺するために砦に連行。ターザは奇襲をかけて砦を占領、ナイチェを救出します。鎮圧にやってきたクルック将軍は、ターザに新しい居留地サン・カルロスへの移動と自衛警察権を任せますが、ジェロニモがサン・カルロスへ移されてきたことから……
日本では1962年に公開されました。主演のロック・ハドソンの人気が日本で出てきたからでしょうね。『ウィンチェスター銃‘73』でもインディアンを演じていますが、これは主役。でもって、内容は白人が都合よく解釈したインディアン映画です。白人との抗争を避ける良いインディアンという位置付けですが、武器を捨て、不毛の居留地に移住させられ、とうもろこしと羊肉が食料として支給され、騎兵隊の制服を着て、反抗的なインディアンを取り締まるなんて、インディアンから見たら裏切り男ですよ。そこには、戦ってまでも自由を求める姿はありません。ターザもナイチェも実在の人物ですが、コチーズの不肖の息子で~す。
画像は、ロック・ハドソンと恋人役のバーバラ・ラッシュ。白人俳優(どこから見ても白人)がインディアンの役をやるのが当たり前の時代でした。