名前だけでは

録画していた『反逆の報酬』(1973年・東宝/監督:沢田幸弘)を観る。恐喝が目的の男と復讐が目的の男が麻薬組織に挑むアクション映画。

報道カメラマンの村木(渡哲也)は、ベトナムの戦場で戦死した黒人兵から鍵とペンダントを預かります。遺言通り六本木のマンションを訪ねた村木が、謎の女性・秋子(鰐淵晴子)と一晩共に過ごしている間に、二人の男(藤岡重慶武藤章生)が村木の部屋を家探し。二人は桜井(成田三樹夫)の手下で、桜井産業は麻薬の密売で企業拡大していることがわかります。死んだ黒人兵は麻薬の運び屋で、村木は黒人兵の後任と間違われたのね。恐喝のネタとして桜井産業を探る村木の前に、桜井に復讐しようとしている沖田(石原裕次郎)が出現。沖田と桜井は仲間でしたが、2年前に桜井に裏切られ、崖から落とされて死んだと思われていました。沖田と村木は黒人兵の後任の麻薬の運び屋を見つけ、麻薬を奪取しますが……

ツッコミどころ満載のストーリー展開。はっきり言って脚本は破綻しています。沢田幸弘の演出はスタイリッシュで見せようとしていますが陳腐なだけ。昔の裕次郎だったらタバコをくゆらす立ち姿だけで絵になったのですが、二重あごの中年太りの裕次郎じゃあねェ。ワイルド感を出そうとしている渡哲也も、ただの乱暴男にしか見えませ~ん。