週に一度は西部劇

録画保存していた『モンテ・ウォルシュ』(1970年/監督:ウィリアム・A・フレイカー)を再見。時代の波に取り残されたカウボーイの物語。

西部開拓時代末期、モンテ・ウォルシュ(リー・マービン)とチェット(ジャック・パランス)は仕事を求めて昔馴染みの牧場主ブレナン(ジム・デイビス)を訪ねます。牧場は東部の企業に売られていましたが、ブレナンは牧場の責任者として残っており、二人は雇われてカウボーイ生活。モンテは酒場の花形だった昔の恋人マルチーヌ(ジャンヌ・モロー)とよりを戻し、チェットは金物屋の後家と親しくなります。しかし、時代の流れは厳しく、牧場は人員整理することになり、若者ショーティ(ミッチ・ライアン)は馘になり、チェットはカウボーイの足を洗って金物屋の後家と結婚することを決意。酒場が不景気になり、マルチーヌは遠くの町に去ります。同じように馘になったルーファスとパウダーとヤケ酒を飲んでいたショーティは、誤って連邦保安官を射殺して逃亡。チェットの結婚式に出たモンテはマルチーヌに逢いに行きます。マルチーヌは酔いどれの半病人。モンテはマルチーヌと結婚の約束をして帰ってきます。ショーティは無法者になり、牛泥棒をしてモンテがショーティの仲間ルーファスを射殺。モンテは昔のよしみでショーティを許してやりますが、ショーティはパウダーとチェットの金物屋を襲います。パウダーがチェットに殺されたことからショーティはチェットを射殺。モンテがショーティを追跡した時、マルチーヌが危篤という知らせがはいり……

最後の西部男たちを描いた“たそがれウエスタン”。キャンプ、喧嘩、柵の修繕、スタンピード(馬の暴走)、荒馬ならしなどカウボーイの日常がきめ細かく描かれている良質の西部劇。監督がカメラマン出身のフレイカーなので、しんみりした画調で、西部の挽歌を演出。西部劇初出演のジャンヌ・モローはこれまでのキャラと異なり、退廃していく可愛いフランス女役で新たな魅力を感じました。劇中で3回流れてくるママ・キャス・エリオット(ママス&パパスのメンバーの一人)の主題歌がしみじみとしていて、心に残りますな。ちなみに、原作はジャック・シェーファー