たまには大作映画

録画していた『バビロン』(2022年/監督:デイミアン・チャゼル)を観る。サイレントからトーキーへと移り変わるハリウッドの激動の時期を豪華絢爛に描いた群像劇。

1926年のハリウッド、映画界での成功を夢見る便利屋のメキシコ青年マニー(ディエゴ・ガルバ)は、映画スタジオ重役の屋敷のパーティーで女優志願のネリー(マーゴット・ロビー)と知りあいます。ネリーは麻薬中毒で意識不明となった女優の代役で映画に初出演。奔放な演技で人気を得ます。一方、マニーは泥酔した大スターのコンラッドブラッド・ピット)を自宅に送っていって気に入られ、撮影現場のスタッフに採用され、能力を発揮。

1927年にトーキー映画が発明され、コンラッドは喋る演技に挑戦しますが、主演作品は全て失敗し、ジャーナリストのエリノア(ジーン・スマート)に「終わりだ」と書きたてられ、ついに自殺。ネリーも“カエル声”と揶揄され、持ち味だった奔放演技も飽きられます。ネリーは麻薬と賭博でギャング(トビー・マグワイヤ)からの借金だらけ。そんなネリーをマニーは助けようとしますが、マニーもギャングから狙われます。麻薬で正常な判断能力を失ったネリーはふらついて殺され、マニーはロサンゼルスから脱出。

1952年、ロサンゼルスにきたマニーは、映画館で『雨に唄えば』を観賞しつつ、携わった映画界を思い出し、涙を流すのです。

上記のキャラの他に、マイノリティーを考慮したのか、サイレント映画の字幕作りの中国人女性(リー・ジュン・リー)や黒人ミュージシャンのサブストーリーが絡み、上映時間は189分。大作といっても中身が濃いわけでなく、長すぎますな。特定のモデルはいないようですが、当時のゴシップ記事を参考にしているようです。ハリウッド黄金時代の空気感と狂騒劇は描かれていたと思いま~す。