週に一度は西部劇

録画保存していた『テキサスの五人の仲間』(1965年/監督:フィルダー・クック)を再見。西部劇というより、『スティング』と同じような“騙し映画” なんですが舞台設定は西部開拓時代。

テキサスきっての大金持ち5人が年に一度集まってポーカーをするんですな。弔いを放ぽり出して葬儀馬車で西部の荒野をやって来る葬儀屋チャールズ・ビックフォード、死刑になりかけている被告の弁護を放ぽり出す弁護士ケビン・マッカーシー、娘の結婚式を放ぽり出すジェースン・ロバーツ、運ばれてきた牛を放ぽり出す牛買い人ジョン・カレン、そして彼らをホテルの酒場で待っていたロバート・ミドルトンの5人ね。そこへ、新天地を求めて移住先に向かうヘンリー・フォンダジョアン・ウッドワード夫妻とその息子の一家が通りかかります。ポーカーに目のないフォンダが全財産を賭けて彼らの勝負に加わり、賭け金不足になって心臓発作で倒れます。医者のバージェス・メレディスがフォンダを治療しますが絶対安静。そこで妻のウッドワードが交替して賭け金不足をポーカーの手札を担保にして銀行家ポール・フォードから金を借りようとするんです。そして、結果は……

一家の財産を守るために必死に努力する西部女のカガミというべきウッドワードに、エゴイストの5人が心洗われるという平凡なオチになっていないところが、この映画の面白さですなんですが、昔の映画は余計な説明をしないので、色々と深読みができるのが楽しみのひとつ。

フォンダが5人のポーカーに加わることができたのは、弁護士のケビン・マッカーシーが女に弱いことを銀行家のポール・フォードから聞かされていて、ウッドワードがマッカーシーの心をつかむポイントを知っていたからと思われ、ファンダたちがやって来るタイミングも、ゲーム開始から徹夜明けで5人に疲れが出る頃で、何か刺激が欲しいところを狙った計画ですな。フォンダはイカサマの名人で、最後の大勝負は5人が高額な賭金にアップするように、それなりの手札を配り、劇中ではフォンダの手札は見せませんでしたが、エースの4カードだった思います。もし、勝負となっても絶対に負けず、それまでの芝居でイカサマとは疑われない用意周到さを見せている感じ。初めて観た時はラストのオチに喜んだだけでしたが、再見では色々と想像しながらの観賞で~す。