さらば中村平蔵

nostalji2016-12-05

録画していたテレビ時代劇『鬼平犯科帳 THE FINAL(前編:五年目の客、後編:雲竜剣)』を観る。中村吉右衛門主演で1989年7月にスタートしてから、2001年5月まで連続ドラマとして137本、その後、単発のスペシャルドラマとして12本、計149本が放送されたのですが、150本を区切りとして最終となりました。レギュラー陣が亡くなったり、高齢になったりしましたからねェ。
「五年目の客」は、密偵の伊三治(三浦浩一)・おまさ(梶芽衣子)と市中を見回っていた長谷川平蔵中村吉右衛門)は、盗賊・羽佐間の文蔵の子分・江口の音吉(谷原章介)を目撃し、おまさが尾行します。音吉は丹波屋という旅館に逗留しており、丹波屋の主人・源兵衛(平泉成)の妻・お吉(若村麻由美)とは訳ありの様子。5年前、お吉は品川の遊女で、病気の弟(渡辺大)のために客だった音吉の金50両を盗んで逃走した過去があったのね。密偵・五郎蔵(綿引勝彦)たちの働きで、音吉の目的が文蔵一味の丹波屋襲撃の引き込みであることがわかります。その頃、謎の浪人(尾上菊之助)に平蔵の部下。酒井祐助(勝野洋)が襲われる事件が発生し、さらに小柳安五郎(谷口高史)が浪人に殺され……
「雲竜剣」は、羽佐間の文蔵一味を一網打尽にしたのも束の間、平蔵は謎の浪人に襲われます。浪人の剣の構えは、かつて牛久で立ち会ったことのある雲竜剣。五郎蔵はうどん屋で盗賊たちの合鍵を作る鍵師の助次郎(中村嘉葎雄)に偶然会います。助次郎は牛久に行き、報謝宿に逗留。報謝宿を営む医師・堀本伯道(田中泯)が雲竜剣の使い手とわかります。長崎屋が凶賊に襲われ一家皆殺しという事件がおこり……
前編と後編のつながりは殆どありません。二つのエピソードを前後編に分けただけね。脚本家も別々(前編:金子成人、後編:田村恵)だし、もう一工夫欲しかったですね。田中泯尾上菊之助の雲竜剣対決はグッド。田中泯の老剣客もさることながら、尾上菊之助のニヒルな剣客ぶりが見事でした。机龍之介眠狂四郎が似合いそうだなァ。
鬼平犯科帳』は、これからもリメイクしてほしい時代劇ですが、密偵・与力・同心役の俳優はいても、長谷川平蔵役が見当たりませんね。できるとすれば、中井貴一ぐらいかなァ。