週に一度は西部劇

録画保存していた『レッド・ムーン』(1968年/監督:ロバート・マリガン)を再見。姿なく襲いくるアパッチの戦士との対決を描いた西部劇。

1881年アリゾナ、サム・バーノン(グレゴリー・ペック)は、後事をインディアンとの混血スカウトのニック(ロバート・フォスター)に託して引退し、余生をニューメキシコの牧場で暮らそうと考えているベテラン騎兵隊スカウト。最後の仕事で、老人や女子供ばかりの一団を保護。その中に白人女性サラ(エバ・マリー・セイント)と彼女の息子(ノーランド・クレイ)がいます。途中で三人の白人惨殺死体を発見。凶暴さでその名を轟かせているアパッチの戦士サルバヘの仕業で、サラは恐怖を露わにします。ニューメキシコへ発とうとするサムにサラは一緒に連れて行ってくれるように懇願。やむなく、サムは同行を認めますが、執拗なサルバヘの追跡を受けます。サルバヘはサラの夫で、息子を取り戻そうとしていたのね。サムは自分の牧場にサラを連れて行き、一緒に暮らし始めますが、ニックがサルバヘの近づいていることを知らせにきて……

なかなか姿を見せないアパッチの恐怖が、簡潔で正確なショットの積み重ねの中からジワジワ迫ってきます。西部劇でありながら良質なスリラーといった感じ。サムとサラの恐怖を通して、子どもを奪われたアパッチの執念と怒りに焦点をあてていますな。背景にベトナム戦争におけるベトコンの恐怖があると云われています。しかし、そんなことを抜きにしても、喋らない沈黙の混血息子の存在や、混血スカウトを死なせた意味合いなど、色々考えさせられる作品で~す。