週に一度は西部劇

DVDで『ワイルド・レンジ 最後の銃撃』(2003年/監督:ケヴィン・コスナー)を再見。この作品は世界で初めての西部劇『大列車強盗』が作られてから100年目になる記念作品。西部劇は今や死滅したジャンルとなっていますが、全米で5週連続トップ・テン入りしたヒット作品です。日本では2004年7月に公開されましたが、それほど評判にはなりませんでした。西部劇というだけで、観客には嫌われたようですね。私が観に行った時にも、観客は疎らでオッサンばかり。西部劇ファンには好評だったんですけどね。

ボス(ロバート・デュバル)、チャーリー(ケヴィン・コスナー)、モーズ(アブラハム・ベンルビ)、バトン(ディエゴ・ルナ)の四人は、オープン・レンジで牛を追いながら旅を続けるフリー・グレイサーと呼ばれる遊牧カウボーイ。食料買い出しに行ったモーズが帰ってこないので、ボスとチャーリーがハーモン郡の町を訪れると、モーズは傷を負って留置所にブチ込まれています。雑貨屋で暴れたのが留置理由でしたが、その町は大牧場主のバクスターマイケル・ガンボン)が支配しており、フリー・グレイサーに対するバクスターの手下の嫌がらせが原因と判明。バクスターはボスに、すぐに町から出ていくことを条件にモーズを釈放。キャンプ地に戻ってみると、バクスター一味の白覆面の四人が見張っており、ボスとチャーリーは森の中で四人を痛めつけます。しかし、二人が留守の間にキャンプ地が襲われ、モーズは殺され、バトンが重傷。バトンの治療のために町に引き返した二人は、医者の妹スー(アネット・ベニング)にバトンを預け、バクスターと対決することを決意。

保安官(ジェームズ・ルッソ)まで配下にして町を支配する横暴な牧場主に対して、仲間を殺されたカウボーイが戦いを挑むという古典的内容の西部劇。広大な平原が続く風景、チャーリーとボスとの過去を語らぬ友情、チャーリーとスーの素朴な愛情、バクスター一味とのリアルな銃撃戦(CGに頼らないラスト20分のガンファイトは見応えあり)、西部劇好きには堪らない作品です。

このDVDには、ケヴィン・コスナーが解説する未公開シーン(約30分)が特典として付いており、チャーリーとボスが過去を語るシーンや、殺されたモーズが事件の発端となるケンカの理由を語るシーンがあったんですね。だけど、黙っていても相手にわかる深い信頼関係が、カットされたことで間延びすることなく観客に伝わることになりました。169分の作品だったら、冗長な感じがして、評価が少し下がったと思いま~す。