続いて

DVDで『幻の大怪獣アゴン』を観る。フジテレビで1968年1月2日~5日に放送された怪獣特撮ドラマです。1964年に日本電波映画によって製作されましたがお蔵入りとなり、1~4話だけで打切りとなった幻のドラマ。

1~2話「アゴン出現」

国立原子力センターへウランを運ぶトラックが嵐の夜に海に落下し、行方不明になります。右京博士(志摩靖彦)と警視庁の大和刑事(松本朝夫)が極秘に調査。事件をかぎつけた毎朝新聞の須本(広田進司)も加わり、海岸を調べている時に海から怪獣が出現。怪獣はすぐに海中へ姿を消しますが、須本が撮った写真から、ジュラ期の恐竜が原子力の影響で突然変異して巨大化したものと判明。アゴン(アトミック・ドラゴンの略らしい)と名付けられた怪獣は国立原子力センターを襲って破壊。原子炉爆発とともに姿を消しますが、再び出現したアゴンに対して、自衛隊は歯が立たず、右京博士の提案で大和刑事が核燃料を積んだ車を海に落下させ、アゴンを海に帰します。

原子炉が爆発しても放射能汚染がなく、アゴンが全部吸収したということですかな。自衛隊の戦闘機や戦車に口から炎を出して破壊。自衛隊の演習記録フィルムを流用している部分は本物の迫力があるんですが、ミニチュアの特撮部分はトホホです。

3~4話「風前の灯」

麻薬ギャング(福山象三と野崎善彦)のトランクが海底に落ち、漁師がトランクを引き上げるですが、眠っていたアゴンが目を覚まし、漁師の子どもとトランクを乗せた漁船を咥えて動き出します。麻薬ギャングの行動と、子どもの救出がダラダラ展開。例によって、核燃料を餌にして子どもを救出するんですが、大量の麻薬が入ったトランクも一緒に飲み込んだアゴンはラリって溶鉱炉で暴れて火だるまになり、海へ帰ります。

1~2話と比べると、スケールが小さくなり、迫力も不足。1話と2話を観れば充分な作品で、幻となったことで、逆に価値がでた感じです。

冒頭のナレーション「我々は第三の火を得たことによって、輝かしき未来の繁栄を約束された。然し、そのために、もう一つの扉をノックしたことを忘れてはならない」の通り、原発アゴンを呼び寄せるだけでなく、危険がいっぱい。