B級スターによるB級西部劇

西部劇パーフェクトコレクションに収録されている『復讐への道』と『無法の町』を観る。

『復讐への道』(1953年/監督:シドニーサルコウ)は、親を殺された男の復讐物語。

ジャック・マッコール(ジョージ・モンゴメリ)は南部出身ですが北軍に従軍。北軍兵士に化けた南軍のスパーゴ(ウィリアム・タネン)に騙され、本隊のキャンプ地を教えたためにスパイの嫌疑を受けて死刑を宣告されます。ジャックは脱走し、彼を追いかけたビル・ヒコック(ダグラス・ケネディ)とジャックの従兄弟バット(ジェームズ・シーイ)はジャックの両親を殺します。南北戦争が終わり、ジャックはスパーゴを見つけますが、ヒコックとバットに金をもらったスパーゴは嘘の証言をし、保安官はジャックを投獄。しかし、旅の途中で出会った南部出身の女性ローズ(アンジェラ・ステーブンス)の助けで脱獄。ヒコックとバットがスー族の土地にある金鉱を狙っているわかり、ローズとデッドウッドの町へ。ヒコックはデッドウッドの保安官をしており……

ジャックがポーカーをしているビル・ヒコックの前に現れ、決闘で倒すところから始まり、裁判でこれまでの経緯が語られるという展開。ジャック・マッコールもビル・ヒコックも実在の人物ですが、お話は全くのフィクション。裁判で無罪になり、ローズと結ばれてバットから取り返した屋敷に戻るというハッピーエンド。ヒコックも、こんな話じゃ浮かばれませんなァ。

 

『無法の町』(1953年/監督:トーマス・カー)は、銀行強盗の無法者が保安官となって町を支配する悪党と対決。

ジム・レヴァリング(ビル・エリオット)は銀行強盗に失敗し、4人の仲間と州を越えてトピカの町にやってきます。町は酒場を経営しているウィルソン(ハリー・ローター)が支配。ウイルソンの手下をジムがやっつけたことから、マリアン(フィリス・コーツ)の父ハリソン(ファジーナイト)が町長にジムを保安官に推薦。保安官になったジムはウイルソンに代って町を支配しようと考え、銀行・商店・駅馬車会社にミカジメ料を取りにきたウイルソンの手下たちを仲間と追い出します。町民たちから尊敬され、マリアンから銀行強盗のお尋ね者と知っていたと知らされたジムは町で平和に暮らすことを決意。仲間のレイ(リック・ヴァリン)はジムの考えに賛成しますが、ジョナス(デンバー・パイル)たち三人は町の略奪をはじめ、ジムとレイは彼らと対決することになり……

ビル・エリオットがグッドバッドマンぶりを見せ、最後はハッピーエンドに終わるという健全娯楽西部劇。一定間隔でアクションシーンをおりまぜ、緊迫感はないものの、展開としては悪くない出来で~す。