女アクション期待で

録画していた『ザ・クーリエ』(2019年/監督:ザカリー・アドラー)を観る。命を狙われた裏社会の女運び屋が、犯罪組織に手をかすFBIの裏切り者と戦うサスペンスアクションです。

ニック(アミット・シャー)という男を護衛しているFBI捜査官のシモンズに荷物を運んだ女配達人(オルガ・キュリレンコ)がシモンズに殺されかけます。その荷物の中には青酸ガスが仕込まれており部屋にいたFBI捜査官は全員死亡。ニックは裏社会の帝王マニングス(ゲイリー・オールドマン)を有罪にする証人で、たまたまトイレに行っていて無事。配達人はシモンズを倒し、ニックを連れ出しますが、シモンズと同様にマニングスに買収されていたブライアント捜査官(ウィリアム・モーズリー)がビルを閉鎖。配達人はビル脱出のためにマニングスの部下を次々倒していきますが……

主人公は、元特殊部隊にいた凄腕の脱走兵。それで、裏稼業の配達人をしているのね。すなおに報酬を渡せばいいものを、証人にならないように殺そうとしたものだから、逆に仕返しされることになるんですな。ビル内、それも立体駐車場内でのアクションに終始するのですが、うまくサスペンスを積み上げています。オルガ・キュリレンコの動きもいいし、出来の良いB級映画で~す。

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カンフー・アクション期待で

録画していた『無敵のドラゴン』(2019年/監督:フルーツ・チャン)を観る。女性警官を狙う連続殺人の謎に挑む刑事を描いたクライムアクションです。

九龍と呼ばれるカンフーの達人刑事ガウ・ロン(マックス・チャン)は、地方の警察署長として赴任しますが、管轄地域で女性警官ばかりを狙う連続殺人事件が発生。ガウの恋人だった女性警官まで犯人に連れ去られます。犯人を見つけられぬまま、自暴自棄になったガウは警察を辞め格闘家の生活。1年後、マカオで同様の女性警官殺しが発生し、ガウは復職し、マカオで捜査します。刑事時代に格闘技で対戦したシンクレア(アンデウソン・シウバ)が彼の前に現れ……

総合格闘UFC世界ミドル級王者だったシウバとチャンの格闘アクションが見せ場です。カンフーでなく総合格闘術ね。マカオの観光名所マカオタワーの有名アトラクション・バンジージャンプを使っての格闘シーンはCG合成。物語展開は粗っぽいし、シリアスの中のコミカルな部分が浮いていて、笑えません。ジャッキー・チェンのアクションが懐かしいで~す。

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日本が舞台で

録画していた『イントゥ・ザ・サン』(2005年/監督:ミンク)を観る。CIAエージェントが日本のヤクザと戦うアクション映画です。

不法入国外人の一掃をかかげる東京都知事候補が何者かに射殺され、国際テロリスト対策をしているFBIはCIAに協力を要請。日本語ができてヤクザ社会にも精通しているトラビス(スティーブン・セガール)が、FBIの若き捜査官ショーン(マシュー・デイヴィス)と東京で捜査を開始します。事件の背後に、新興ヤクザの黒田(大沢たかを)が中国マフィアのチェン(ケン・ロウ)と手を組み、日本の裏社会を支配しようとしていることがわかり……

セガールは17歳の時に来日し、14年間日本にいたので日本語は堪能。ただ大阪で暮らしていたので大阪弁ね。日本にいる時に結婚して、子どもも誕生。劇中でヤクザが見ていたビデオが“平成ガメラ”(娘の藤谷文子の顔アップあり)だったのは楽屋オチ。ハリウッド的日本紹介は商売上仕方ないにしても、“昭和残侠伝”よろしく、刺青師の豊原功補と刀でもっての殴り込みはいただけません。ドンパチのかわりに刀で無敵のセガールを見せてくれてもねェ。

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海外ドラマから

録画していた『リンカーン 殺人鬼ボーン・コレクターを追え(全10話)』を観了。デンゼル・ワシントン主演で映画化もされたジェフリー・ディーヴァーの小説『ボーン・コレクター』のドラマ化です。

ニューヨーク市警の刑事リンカーンラッセル・ホーンズビー)は連続殺人犯ボーン・コレクターを追跡中、罠にかかって重傷を負い、四肢がマヒします。3年後、リンカーンの元相棒セリート(マイケル・インペリオリ)は、地下鉄で変死体を発見した女性巡査アメリア(アリエル・ケベル)を連れてリンカーンを訪問。ボーン・コレクターの犯行手口と似ており、リンカーンアメリアやかつての部下・科学捜査官ケイト(ブルック・ライオンズ)、ITの専門家フェリックス(テイト・エリントン)たちと難事件に挑みます。

第1話は、ボーン・コレクター模倣犯の仕業だったんですが、リンカーンが復活したと知って、本物のボーン・コレクター(ブライアン・F・オバーン)が活動を開始。1話完結の事件と並行して、ボーン・コレクターの行動がサイドストーリーとして展開します。8話からがボーン・コレクターとの対決ストーリー。ボーン・コレクターを捕らえますが、エンディングシーンでは新たな敵の出現を匂わせています。だけど、シーズン2は作られていませ~ん。

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週に1度は西部劇

友人に送ってもらった『荒野の追跡』(1954年/監督:ジェシー・ヒッブス)を観る。父と弟を殺された男が故郷に帰ってきて犯人捜しをする西部劇です。

鉄道技師のクレイ(オーディ・マーフィ)は、父と弟が牛泥棒に殺されたという知らせを受けて故郷に帰ってきます。保安官のケニヨン(ポール・バーチ)と弁護士メレディス(ウィリアム・プレン)は、遺産を受け取って町を去るようにクレイに言いますが、クレイは犯人捜しを決意して保安官助手に志願。ケニヨンとメレディスが犯人かもしれないと言うキンケード(ダン・デュリエ)を捕まえに行きますが……

父と弟が殺されるシーンで、犯人はケニヨン、メレディス、ジェド(ラッセル・ジョンソン)とわかっており、興味はクレイがケニヨンたちの悪事をどうやって見破るかなんですか、そういったサスペンスよりクレイとキンケードの奇妙な友情に重点をおいています。キンケード役のダン・デュリエの陽気な無法者ぶりがグッド。主役のオーディ・マーフィを完全に食っていま~す。

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最後は

風野真知雄:著の『ニコライ盗撮』(角川文庫:2015年4月25日初版発行)を読了。元幕臣北辰一刀流麒麟児と呼ばれた“剣豪写真師・志村悠之介”シリーズ3作目で、最終作です。

ロシアの皇太子ニコライが来日することになり、悠之介は『鹿鳴館盗撮』で親しくなった首相の伊藤博文からロシア艦隊の盗撮を依頼されます。その頃、巷では西郷隆盛が軍艦・畝傍に乗ってロシアから帰ってくるという噂が流布。軍艦・畝傍はフランスで建造され日本へ回航中に行方不明になった軍艦で、西郷隆盛は城山で死なずにロシアへ行ったというのね。伊藤に依頼されたのと同時に、西郷従道からも浅草で西郷隆盛に似た人物が目撃されたので調べて欲しいという依頼を受けます。『西郷盗撮』で撮った西郷隆盛の写真を、妻の小夜が持ち出し……

ニコライが大津で警備の津田巡査に斬りつけられた大津事件の謎をからめて、当時の日本の情勢を描いています。怪しげな人物や、政府の陰謀に関する伏線の張り方など、時代小説というよりミステリー小説の面白さで~す。

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最後に

録画していた『大奥十八景』(1986年/監督:鈴木則文)を観る。権力と欲望、嫉妬と裏切りが渦巻く大奥を舞台にした官能時代劇です。

4代将軍・家綱(あおい輝彦)は、鷹狩りの最中、水浴びをしている娘・おなつ(伊織祐未)を見初めます。大奥を取り仕切る姉小路の局(新藤恵美)のもと、おなつはあでやかなお手付中臈に変貌。そんな折、別のお手付中臈・おみの(山本奈津子)が懐妊しますが、堀田正俊(中野誠也)の調べで家綱の種でないことがわかります。おみのは、姉小路の局の命令でおすみ(辻沢杏子)の代わりに外出した時に孕んだことをおすみに告白して自殺。おすみは怖くなって大奥から逃げ出し、かつての恋人だった中条源四郎(勝野洋)のところへ逃げ込みます。世継ぎが生まれぬ家綱の女漁りは激しくなり、湯殿でお末女中のよしの(野村真美)に手をつけますが……

何で今さらといった感じの作品。原作は南原幹夫の小説で、裸シーンはあっても意外と真面目な内容。この手の映画にチャンバラシーンなんて必要ないのに、福本清三は真面目に勝野洋に斬られていました。際立った特徴がなく、面白みに欠ける官能時代劇で~す。

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