「荒野の1ドル銀貨」伊語盤

nostalji2005-03-22

カミさんの友だちがマンションから引越すことになり、不要なレコードを貰う。カミさんは我楽多が増えるので機嫌が悪いのですが、クラシック、ジャズ以外なら喜んで頂くと言った手前、仕方ないじゃない。それにワザワザ持ってきてくれたんだし、不要であれば私の方で処分すれば済むことですからね。でもって、アダモやミシェル・ポルナレフなどのLP10枚の中に、フレッド・ボングストのLPがありました。この中に「荒野の1ドル銀貨」のイタリア語の主題歌が収録されていたんですよ。英語バージョンは珍しくないのですが、伊語バージョンは国内で発売されている、あらゆる“マカロニ・ウエスタン主題歌集”のどこにも収録されていませんからね。私にとってのお宝が増えました。ウッシッシ…… 画像は、レコードジャケット。
藤沢周平の『風の果て』を読了。藤沢周平の作品は権力争いを背景にしたものが多いのですが、同じ権力争いを扱っていても主人公が平藩士でなく、政争のすえに藩政を掌握した人物というのは私が読んだ中では初めてでした。物語は主人公のもとに青年時代に同じ道場で剣を学んだ友人から果たし状が届くところから始まります。主人公は、その理由を探るために昔のことを思い起こします。つまり、過去を振り返ることによる、主人公の半生記になっているわけです。作者は主人公を寡欲で志操の高い人物として描いていますが、藩政を収める段になると、どんな汚い手でも使いかねない凄腕の政治家としても描いています。そして、権力が言いようもない快いことだということを主人公に云わしめています。時代小説であっても現代の企業小説にも通じるところがあって、私は奥深いものを感じました。