よくわからない必殺剣

nostalji2012-01-10

録画していた『必死剣鳥刺し』(2010年・東映/監督:平山秀幸)を観る。原作は藤沢周平の同名短編小説です。主人公(豊川悦司)が藩政に口出しする藩主の愛妾を斬ったところから物語は始まり、回想によって愛妾の悪政の数々が示されるのと同時に、亡き妻(戸田菜穂)との想い出や、主人公の世話をする妻の姪(池脇千鶴)との触合いが描かれていきます。東北の四季をバックにするのは、藤沢周平ものでは定番となっている感じですね。
愛妾を殺害したのに、何故か1年間の閉門という軽い処分の上、主人公は近習頭に抜擢されます。そこには、藩政を牛耳る中老(岸部一徳)の策謀があり、藩主と対立する一族別家(吉川晃司)を、主人公を使って倒そうと考えていたんですな。別家は藩随一の剣客で、それに対抗できるのは“鳥刺し”なる必殺剣を編み出した主人公しかなかったわけです。愛妾が死んでも藩政はよくならず、藩主を隠居させようとやってきた別家と主人公は対決し、中老の思惑通り主人公は別家を倒します。しかし、主人公も乱心の上、別家を殺害した者として上意討ちされることになります。そして、最後に見せるのが“必死剣鳥刺し”ね。
愛妾の死後の政治状況が説明不足なのと、必殺剣の伏線がないので今イチすっきりしません。全体的にムード先行的な感じで〜す。