野蛮人と芸者

nostalji2005-04-24

テレビ情報誌にて、5月度の映画放映をチェック。『マッハ』以外はヒマつぶし程度の作品ばかりで、絶対に観たいというようなモノはありません。CATVに期待しましょう。
録画していた『黒船』(1958年/監督:ジョン・ヒューストン)を観る。初の日本総領事として下田へやって来たタウンゼント・ハリス(ジョン・ウェイン)の物語。原題は『The Barbarian and the Geisha』で、如何にもアメリカ人が喜びそうな題名です。ヒューストンの構想は、日本の木版画の淡々とした形象を持ち、俳句の控えめな深みに焦点を当てた静かな映画でしたが、ウェインやフォックス社の考えとは相容れないものでした。「当初の題名『タウンゼント・ハリス物語』が撮影中に変更され、アメリカ人観客が喜ぶようなシーンの追加や編集でズタズタにされ、目茶目茶な作品になった」と、後にヒューストンは語っています。そういえば、『ラストサムライ』もアメリカ人にわかりやすい題名ですよね。“ゲイシャ”に“サムライ”、結局、アメリカ人の日本感は50年近く経っても全然進歩していないことを改めて認識しました。『黒船』の詳細については、HP:放出美級迷画座の「歴史劇」にアップ⇒http://www2u.biglobe.ne.jp/~kazu60/zanmai4/rekisi1.htm
画像は、『黒船』のジョン・ウェイン