憲兵スリラー

nostalji2005-05-11

録画していた『憲兵とバラバラ死美人』と『憲兵と幽霊』を観る。
憲兵とバラバラ死美人』(1957年・新東宝/監督:並木鏡太郎)は、扇情的な題名ですが意外とまともな推理ドラマです。それにしても、居酒屋の女将役の若杉嘉津子が妙に艶っぽかったなァ。
憲兵と幽霊』(1958年・新東宝/監督:中川信夫)は、当初、“売国奴愛国者”(売国奴と言われた者が実は愛国者で、愛国者と見られていた者が売国奴だった)というテーマで中川監督は描くつもりでしたが、大蔵貢の要請でムリヤリ怪談物にされたそうです。おまけに、お色気シーンを強調するのに万里昌代がセリフなしのダンサー役で出演しています。不本意な作品だったでしょうが、黒バックに無数の白い十字架が並んだラストの外人墓地のシーンは中川監督らしい才気が見られます。それにしても天知茂は色悪が似合うなァ。肩ヒモのないドレスを着た三原葉子も良いのだ。