殺しのブルース

nostalji2005-05-19

♪〜男前の殺し屋は香水の匂いがした まがったネクタイを気にして死んだ。寝ぼけ顔殺し屋は寒そうに震えてた あつい鉛を抱いて死んだ〜(歌:大和屋竺、作詞:具流八郎、作曲:楠井景久)
未見だった鈴木清順の『殺しの烙印』(1967年・日活)を観る。前半はギャビン・ライアルの『深夜プラス1』そのまんまです。主人公(宍戸錠)の持っている拳銃までがモーゼル・ミリタリーとあっては、あいた口がふさがりませんでした。脚本の具流八郎は、大和屋竺曽根中生などの共同執筆名らしいのですが、前半と後半では主人公のキャラが不明確になっており、シナリオは破綻しています。それを清順監督は演出テクニックに走りすぎて、わけのわからないものにしてしまいましたね。「わからない映画を作る」と社長に言われ、この作品で清順監督は日活を解雇され、『悲愁物語』まで10年間、映画が撮れなくなりました。清順作品というだけで、何でもかんでも持ち上げる傾向がありますが、これは演出過剰の自爆作品だと私は思いま〜す。
『殺しの烙印』の主題歌が大和屋竺の歌う「殺しのブルース」で、『スクリーミング・ア・ゴーゴー』というCDに収録されています。映画よりも先に主題歌を知っていたんですよ。気だるい歌声が印象的で、映画も期待したのですけどね。『スクリーミング・ア・ゴーゴー』は昭和40年代のB級映画の劇伴音楽が収録されています。「血を吸う人形」の劇伴が入っているなんて嬉しいじゃありませんか。画像は『スクリーミング・ア・ゴーゴー』のCDジャケット(イラスト:石原豪人