橋蔵と雷蔵

nostalji2005-10-20

録画していた大川橋蔵主演の『緋ざくら大名』と市川雷蔵主演の『月姫系図』を観る。
『緋ざくら大名』(1958年・東映/監督:加藤泰)は、家老が決めた縁談を嫌がって町へ逃げ出したお姫様(大川恵子)を助けて、これまた兄の決めた縁談を嫌がって市井で暮らしていた若君(大川橋蔵)が御家騒動を解決する物語。1950年代までは、親の決めた縁談に子供は逆らえないという社会的慣習が根強くあって、それに対する抵抗というか反感というものが、この手の映画の下支えになっていたような気がします。60年代になると恋愛の自由化が進み、大衆の喜ぶ題材でなくなり、陳腐化していったのでしょう。それにしても、大川橋蔵と大川恵子は若君と姫様にピッタリだよなァ。画像は、大川橋蔵のレコード。ジャケットだけスキャニングして残しておいたものです。現物は、とっくの昔に小遣いが無くなって古レコード屋へ。歌の方も残しておけばよかったなァ……
月姫系図』(1958年・大映/監督:渡辺実)は、武田家の埋蔵金の在処がわかるという風・林・火・山の四枚の枝折を巡って展開する伝奇時代劇。最初から“山”の枝折を持っている雷蔵の素性が不明なのですが、角田喜久雄の原作はその辺が明解になっているんですかね。省略とイイカゲンは違いますよ。当時の日本映画の最大の欠点は、娯楽映画だから細部にこだわる必要がないといった気持ちで作られていることですね。この作品だって作り方次第では、もっと面白くなったと思うのですが……
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