シリーズ物を楽しむ

nostalji2016-12-20

友人に送ってもらった東映時代劇『若さま侍捕物帖・深夜の死美人』(1957年/監督:深田金之助)を観る。
大工の棟梁・政五郎(加藤嘉)が殺され、政五郎に娘おあい(若水美子)との結婚を反対されていた旗本の次男坊が犯人と岡引き・遠州屋小吉(星十郎)はにらみますが、おあいも殺されます。船宿・喜仙でお糸(星美智子)相手にノンビリ酒を楽しんでいた若さま(大川橋蔵)が、小吉の頼みで捜査に乗り出すのね。骨董屋の金正(薄田研二)から絵図面を掏り取ったおゆみ(浦里はるみ)を助けたことから若さまは覆面の一団に襲われます。覆面の一団は、森田市郎兵衛(阿部九洲男)と三郎兵衛(富田仲次郎)の道場の門弟。政五郎の祖先が久能山東照宮の宝蔵を造ったことがわかり……
大川橋蔵の“若さま侍捕物帖”は56年の「地獄の皿屋敷」から62年の「お化粧蜘蛛」まで10本あり、これは5作目です。橋蔵が東映の一枚看板になるのはこの作品の後で、5作目までは1時間程度の添え物扱いでした。しかし、橋蔵のキャラと相まって“若さま侍捕物帖”はヒットシリーズとなったのです。若さま役には、映画では黒川弥太郎と坂東鶴之助(5代目中村富十郎)が、テレビでは夏目俊二・市川新之助(12代目市川團十郎)・林与一田村正和が演じていますが、やっぱり大川橋蔵が一番!