待ち時間が長い

nostalji2005-12-05

大腸癌の二次検診のために専門医療機関へ。近くて大きい病院ということで選んだのですが、待ち時間の長いこと、長いこと。問診されて検診方法と検診日を決めて帰宅したらお昼前でした。帰りは、用水路沿いを散歩がてらに45分ばかり歩いたこともありますがね。
でもって、長い待ち時間で読んだのが、小野俊太郎:著の『日経小説でよむ戦後日本』(ちくま新書:2001年4月20日第1刷発行)です。日経新聞は会社勤めをしていた時に、駅の売店で購入して電車の中で読んでいました。『化身』(渡辺淳一)や『下天は夢か』(津本陽)が掲載されていたことは憶えていますが、読む気にはならなかったなァ。話題になった『失楽園』(渡辺淳一)もね。細切れで小説を読んでいくなんて邪道だと思っていましたからね。週刊誌や月刊誌の小説も読んだことがありません。日本の作家と欧米の作家との大きな違いは、日本の作家は、流行作家になるほど書き下ろしが少ないことですかね。連載という形式は読者のニーズでなく、書き下ろしのリスクを防ぐ出版社からのニーズが強い気がするのですが、この本の中では一切触れていません。この本の主旨は、新聞小説の中で日経は読者層が絞れるので、日経新聞小説を通して、戦後の日本的経営や日本社会の変化を読み取るのが目的なのですが、肝心の小説を私が読んでいないのでピンときませんでした。ところで、新聞小説の目的は、坪内逍遥によると、「小説にも当世の事情を報道するの意を含ませ、成るべく当世を本尊とし、現在の人情、風俗又は傾き等を示すべし」とのこと。なるほど、納得、納得。