芸術祭参加作品にろくなモノがない

nostalji2005-12-17

録画していた『雷電(前・後編)』(1959年・新東宝/監督:中川信夫)を観る。雷電というのは江戸時代の、もの凄く強かったお相撲さん。出雲・松平家のお抱え力士で、松江城雷電の手形が観光用に残っていたと記憶しています。でもって、この作品は英雄物語でなく、雷電宇津井健)とおきん(北沢典子)の悲恋を描いたメロドラマ。1959年の芸術祭参加作品で、前・後編通しで3時間弱という大作です。だけど、内容は陳腐すぎてどこが芸術だァ。ヒロインは何度も貞操の危機に陥り、危ういところで免れるというワンパターン演出。立回りを見せずに、斬られた人物だけを見せていく演出は凝ったものなのですが、これも繰り返し見せるだけのワンパターン演出です。延々とメロドラマをやって、ラストは男の出世のために身を引いた女の涙の別れ。惚れた女のためなら命がけという、男の美学がどこにもありませ〜ん。久しぶりに、怒りの大放屁チャブ台返し!
画像は『雷電』の宇津井健と北沢典子。
ところで、実在の雷電というのは、197センチ・160キロの巨体で、負けはわずか10回のみで、勝率9割6分2厘という天下無敵の力士だったので〜す。