バッファロー・ビルの物語

nostalji2006-02-11

冬季オリンピックがイタリアのトリノで開催。最多80カ国・地域の参加ということなので、どんな国が出場しているのか、録画していた(朝の4時に起きてまで見ようとは思わない)開会式を見ました。およそ雪と氷には縁のないケニヤやブラジルのような国の参加は、海のないモンゴルのような国がヨット競技に参加するようなものですね。
昨日に引き続き、500円DVDの『西部の王者』(1944年/監督:ウィリアム・A・ウェルマン)を観る。西部の英雄バッファロー・ビル(ジョエル・マックリー)の半生を描いた作品です。評価が分かれるかもしれませんが、私は傑作だと思っています。この手の英雄史を描くには、普通150分以上の尺数を必要とするのですが、90分で収めています。そのため、どうしても喰い足らないところが出てくるのは仕方ないでしょうね。ビルに恋心を抱いていたイエロー・ハンド(アンソニー・クイン)の妹(リンダ・ダーネル)とビルの絡みなどは実にアッサリしたものです。だけど、90分の中にスペクタクル・シーン(ウォーボンネット谷での騎兵隊とインディアンの激突は圧巻)あり、インディアンの悲しみあり(原野に散らばる野牛の白骨を見たら、誰だってインディアンに同情したくなります)、ビルの妻(モーリン・オハラ)への愛情(求婚シーンの盛上げ方は見事)と愛児を失った悲しみありと、詰め込めるだけ詰め込んでいます。それらを場面処理のたくみさで、表面的に流れることなく感動を持って網羅していくところは、さすがにウェルマン監督の力量といっていいでしょうね。最近のやたらダラダラ長い映画を観ると、この映画の素晴しさを改めて認識させられましたよ。画像は『西部の王者』のジョエル・マックリーとモーリン・オハラ
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