チャップリン暗殺計画

nostalji2006-05-15

1932年5月15日、犬養毅首相が射殺される。“五・一五事件”ですな。陸海軍革新派の将校たちが起こしたテロ事件で、首相官邸にやってきた三上卓海軍中尉に対して、「話せばわかる」と犬養首相が制止しますが、「問答無用」の一言で射たれてしまいました。ちょうどその頃、来日していたチャップリンが“五・一五事件”に巻き込まれそうになって、生命の危険があったことは、彼の自伝に書いていて有名な話です。
でもって、日本滞在中のチャップリンの動向を詳細に綴ったノンフィクションが千葉伸夫:著の『チャップリンが日本を走った』(青蛙房:1992年初版発行)で、当時の新聞や関係文書を綿密に調べ上げ、『チャップリン自伝』の矛盾を明確に指摘しています。
また、チャップリン暗殺計画をテーマにした小説が、日下圭介:著の『チャップリンを撃て』(講談社ノベルス:1986年9月5日初版発行)で、事実の面白さの前に、フィクション部分に深みがないのが今イチですが、軍部独裁へと傾斜していく昭和初期の状況を知るのには役立ちま〜す。