助け人・中山文十郎が亡くなる

nostalji2006-05-18

録画していた『必殺仕掛人』(1973年・松竹/監督:渡辺祐介)を観る。テレビの人気を受けて映画化された第1弾です。ただ、山村聡音羽屋半右衛門は同じでも、藤枝梅安田宮二郎で、西村左内が高橋幸治とキャストが違うんですよねェ。田宮二郎はクールなところはあっても、人生の重みといったものが感じられないし、高橋幸治も悪くはないのですが、少し重いかなァ。それでも、悪役の室田日出男野際陽子、三津田健は各々味のある演技を見せてくれたので是としましょう。
知的な渋さを見せてくれた田村高廣さんが亡くなりました。享年77歳。田村さんで、“必殺”シリーズといえば、『助け人走る』(シリーズ3作目)がありますね。とぼけた味の中に凄みのある浪人役でした。お父さんの阪東妻三郎が亡くなって、周囲の熱心な勧めで映画界入りしたのですが、デビュー当時はバンツマ二世として過度の期待をされ、苦労したとか。そうした中、地味な役柄にも積極的に取組み、バンツマとは異なる名優・田村高廣を確立しましたね。それでも、年齢を重ねるごとに段々バンツマに似てきました。単なる外見だけでなく、演技で雰囲気まで似せることができるようになってきたのは、“助け人”あたりからではないでしょうか。演技の幅では、父親を超えた名優に合掌。画像は、『助け人走る』の田村高廣さん。