未見だったので

nostalji2016-03-29

録画していた『兵隊やくざ』(1965年・大映/監督:増村保造)を観る。“座頭市”“悪名”とならぶカツシンの人気シリーズ(全9作)なんですが、今まで1本も観ていないんですよ。戦争ものということで毛嫌いしていたわけではないんですけどね。
昭和18年、ソ満国境に近い孫呉の兵営に新兵の大宮喜三郎(勝新太郎)が入隊してきます。大宮はヤクザの用心棒をしていたことから札付きの問題児。そんな大宮の指導係を命じられたのが大学出のインテリ上等兵・有田(田村高廣)でした。非人間的な軍隊機構に反感を持っている有田は、人間的に行動する大宮と何故か気があいます。権威をかさにきる砲兵隊との対決、特権を利用して私服を肥やす料理兵の成敗しますが、部隊は南方に転進することになり、大宮と有田は脱走。
アクション映画は今イチの増村保造ですが、菊島隆三の脚本とカツシンのアクション演技で娯楽作品として面白く仕上がっています。女郎の淡路恵子とカツシンの絡みなどは増村保造らしく艶っぽいシーンになっており、男臭い内容の中で彩鮮やかですな。軍隊という閉塞状況を人間的エネルギーの爆発でぶち破っていくというテーマが、通俗性をテコに見事に結実しており、続編が観たくなる作品で〜す。