ヤキマ・カヌートがいれば……

nostalji2006-05-26

録画していた戦前の大作『成吉思汗』(1943年・大映/監督:牛原虚彦松田定次)を観る。元朝秘史を元ネタにしています。母ホエルンが、山梨や山桜の実を拾い、草の根を掘って幼いテムジンたち4人の息子を養う話は元朝秘史そのままです。だけど、登場人物の名前が違っているので、よく分からなかったこともありますが、内容はかなり違っています。テムジンは争い事が嫌いな平和主義者で、相手に仕掛けられてやむなく戦うという流れになっています。戦争中の時代背景がそうさせたのですかね。満州ロケのような気がするスケール感ある風景は、従来の邦画では見られないものですが、肝心の戦闘シーンは騎馬軍団が走り回るだけで迫力ありません。『駅馬車』のような馬を使ったスタントなんて、スタント・マンがいなかった当時の邦画界では出来なかったのでしょうね。画像は、成吉思汗役の戸上城太郎(左側)です。戦後は悪役専門の傍役になりますが、戦前は主演スターなのです。
HP:放出美級迷画座の「歴史劇」に追加アップ⇒http://www2u.biglobe.ne.jp/~kazu60/zanmai08/rekisi3.htm
映画の著作権の保護期間が、2004年1月1日施行の改正著作権法によって50年から70年に延びたのは知っていましたが、私は2004年1月1日以降に製作された作品に適用されるものだと思っていました。文化庁著作権課によると、03年末までに保護期間のあった映画全部に適用されるんですね。したがって、1953年以降に公開された作品は全て対象となり、激安DVD化が期待できないわけです。だけど、西部劇やミュージカルは52年以前に数多くの作品があるので、どんどん激安DVDで発売して欲しいですねェ。