古典も大事

nostalji2011-09-02

BSプレミアムが『吸血鬼ノスフェラトゥ 恐怖の交響曲』(1922年/監督:F・W・ムルナウ)を放映。映画ファン、それも娯楽映画ファンなら観ておく必要のある作品がありまして、これもその一つです。吸血鬼ドラキュラの最初の映画化で、名前はオルロック伯爵、容姿はスキンヘッドに長い爪、舞台はトランシルヴァニアでなくバルチック地域に変えてありますが、内容はブラム・ストーカーの原作に基づいています。ムルナウはドラキュラと異なる作品と考えたのか、映画化権料を払わなかった為にブラムの未亡人から著作権侵害で訴えられます。裁判の結果、賠償とフィルムを破棄(原版は残っていた)することになり、1ヶ月後、ムルナウの映画会社は破産しました。
現在の観点からすると古臭さは否めませんが、超自然的な雰囲気を醸しだすカメラテクニックとグロテスクなメーキャップ、時代を感じさせるセットは初期のホラー映画の傑作といえますね。1979年にヴェルナー・ヘルツォークがクラウス・キンスキー主演でリメイクしています。撮影秘話を扱った作品に『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』(2000年/監督:E・エリアス・マーヒッジ)があり、ジョン・マルコビッチムルナウを演じていました。吸血鬼役のウィリアム・デフォーが存在感ありましたね。吸血鬼を語るなら、必見で〜す。